飲食店の看板に許可は要る?大阪市の屋外広告物許可と、歩道に置き看板を出す前の確認点

大阪市では自分の店の看板も1つ7平方メートルを超えると屋外広告物の許可が必要 飲食店

店の看板は、開業準備の中でも楽しい部分です。ただ、看板には2種類のルールがかかります。

  • 屋外広告物のルール(屋外広告物法・大阪市屋外広告物条例)── 景観と安全のため、看板の大きさや設置に許可が要る
  • 道路のルール(道路法・道路交通法)── 看板が道路の上に出る、または道路に置かれるなら、別の許可が要る

「自分の店の看板だから自由に出せる」わけではありません。この記事では、大阪市で飲食店が看板を出すときに、どこから許可が必要になるのかを整理します。2026年9月時点の情報です。

大阪市では、看板は原則「許可制」

大阪市の「屋外広告物のしおり」は、冒頭でこう定めています。

屋外広告物を設置する場合には、一部の適用除外広告物を除いて、あらかじめ市長の許可を受けなければなりません。

屋外広告物には、店名・商品名・商標・ロゴマークも含まれます。表示の内容が営利かどうかは問いません。一方で、窓ガラスの内側から貼った表示・音響・街頭で配るチラシは屋外広告物に当たりません。

自分の店の看板は「1つ7㎡以内」なら許可不要

では、どこからが許可の対象か。飲食店の看板でいちばん大事なのが、自家用広告物の7㎡基準です。

大阪市「屋外広告物のしおり」20ページ。自家用広告物は1つあたりの表示面積が7平方メートル以内なら許可が不要と書かれている。出典:大阪市 PDF https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/cmsfiles/contents/0000372/372127/R7.okugaikoukokubutunosiori.pdf 掲載ページ https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000372127.html 2026年9月27日閲覧
出典:大阪市建設局「屋外広告物のしおり(令和8年1月発行)」20ページ「適用除外広告物」(PDF/掲載ページ「屋外広告物の許可について」)2026年9月27日閲覧

しおりの「適用除外広告物」には、次の広告物は許可も禁止規定も適用されないと書かれています。

自己の店名、商標、事業や営業の内容を表示するため自己の事業所や営業所に設置する広告物(自家用広告物)あるいは自己の管理する土地又は物件に管理上の必要に基づき表示する広告物で、1つあたりの表示面積が7㎡以内のもの

ポイントは「1つあたり」です。大阪市の「屋外広告物申請Q&A」は、次の例で説明しています。

壁面看板表示面積許可
A店5㎡不要(7㎡以内)
B店6㎡不要(7㎡以内)
C店9㎡必要(7㎡を超える)

根拠は大阪市屋外広告物条例 第7条第3号(自家用広告物の適用除外。面積の基準は市長が定める)です。合計面積ではなく、1物件ごとに判定します。逆に言えば、1枚でも7㎡を超える看板があれば、その看板は許可が必要です。また、自家用でない広告物(他社の広告を出す場合など)は、大きさに関係なく許可が必要です。

手続きの概要は 屋外広告物許可申請 にまとめています。

許可が要るときの手続き

7㎡を超える看板を出す場合の、大阪市での手続きの要点です。

項目内容
窓口大阪市建設局 総務部 管理課(窓口申請はここのみ)。大阪市行政オンラインシステムでも申請できる
主な書類屋外広告物許可申請書、付近見取図、平面図、立面図、意匠図、構造図、屋外広告物許可申請チェックリスト など
期間申請から許可まで、一般広告物は3週間程度
手数料広告塔・広告板は5㎡までごとに950円
許可期間有資格の管理者を置く場合は3年以内、それ以外は2年以内
継続期間後も出し続けるなら継続申請(屋外広告物点検報告書を添付)

申請には管理者の設置が必要です。高さ4mを超える工作物(建築確認が要るもの)は、屋外広告士・建築士・電気工事士・屋外広告物点検技能講習修了者などの有資格者を管理者にしなければなりません。

また、許可を受けた看板の規模や構造を変えるときは、変更の許可が必要です。デザインや表示内容だけを変える場合は、変更申請は不要とされています。

看板が道路の上に出るなら「道路占用許可」も要る

袖看板(突出看板)が道路の上空にはみ出す場合は、屋外広告物とは別に、道路占用許可が必要です。大阪市の案内の要点はこうです。

項目内容
窓口大阪市建設局 総務部 管理課
申請手数料1件につき1,100円
道路占用料(1基・1年)特等地 8,500円/1等地 5,660円/2等地 3,770円
期間申請から許可まで1か月程度
警察協議窓口で発行される警察協議書を所轄警察署に出し、戻ってきた回答書を管理課に提出。回答書がないと占用許可が出ない

さらに、突出看板の表示面積(両面なら合計)が7㎡を超える場合は、屋外広告物の許可も必要です。

注意したいのは、看板を付け替えるときや撤去するときです。大阪市の「突出看板道路占用Q&A」によると、サイズが変わらなくても看板を取り替えるなら変更申請が必要、撤去する前にも変更申請が必要です。居抜きで前の店の袖看板を使うなら、看板の所有者が変わるので「道路占用権利義務承継」の申請が要ります。

歩道の置き看板・のぼりは要注意

路面店でよく見る、歩道に出したA型の置き看板やのぼり旗。これが一番トラブルになりやすいところです。

まず屋外広告物のルールでは、小さな立看板・広告旗などは一定の条件を満たせば許可不要ですが、その条件の1つが「道路上に掲出していないこと」です。道路に出した時点で、この許可不要の扱いから外れます。

次に道路のルールです。歩道は道路の一部なので、そこに看板を置くことは道路の占用にあたり、道路管理者の許可なく置くことはできません。置き看板の占用が認められるかは道路管理者の基準によりますが、歩行者の通行を妨げる物件は認められにくいのが実情です。

店の敷地内(歩道との境界の内側)に収めるのが、トラブルを避ける現実的な方法です。敷地の境界がどこかは、物件の図面や貸主に確認してください。

テラス席など、道路を継続的に使いたい場合は、道路占用許可に加えて、道路での作業・設置について警察署の道路使用許可が関わることがあります。仕組みは 道路占用許可申請(道路法第32条) と 道路使用許可申請(道路交通法第77条) にまとめています。

場所によって、さらに制限がかかる

大阪市内には屋外広告物の禁止地域は設けられていませんが、次のような区域・地区では制限や協議があります。

  • 阪神高速道路の路端から50mの範囲で、路面の高さ以上・路面から15m以下の範囲は禁止区域(本線のみ。自家用で該当部分が7㎡以下なら申請可能)
  • 大川風致地区内の一部(源八橋から天満橋の間)は禁止区域
  • 長堀通・大川などの広告物景観形成地区では、地区ごとの基準との適合協議がある
  • 景観計画の重点届出区域では、別に景観の届出が必要になることがある

物件を決める前に、「マップナビおおさか」で規制区域を確認しておくと、看板のデザインをやり直さずに済みます。

看板工事を頼むときは「登録業者」か確認する

大阪市内で屋外広告業を営むには、大阪府または大阪市の登録が必要です(大阪府の登録業者は大阪市に届け出ることで市の登録業者とみなされます)。大阪市は「無登録業者には依頼しない」よう呼びかけています。

看板業者を選ぶときは、登録番号を確認しておきましょう。許可申請を代わりに進めてくれるかどうかも、見積りの段階で確認すると段取りが楽になります。

よくある質問

Q. 窓ガラスに内側から貼ったシートも許可が要りますか

大阪市のしおりでは、屋内に表示されるもの(窓ガラスに内側から表示されているもの)は屋外広告物に当たらないとされています。

Q. テナントビルで、ビルの袖看板に自分の店名を入れるだけです

袖看板の表示面積が7㎡を超える、または自家用に当たらない場合は許可が必要です。道路上に突き出しているなら道路占用許可も関わります。ビルの管理会社がまとめて許可を取っていることも多いので、まず確認してください。

Q. 開業セールでのぼりを数日だけ出したいです

広告旗は、高さ2m・幅0.5m以内、表示期間30日以内、表示期間と設置者の氏名・住所を明記、禁止地域・禁止物件でない、道路上でないなどの条件をすべて満たせば許可不要です。歩道に立てるなら、この扱いにはなりません。

Q. 看板を出してから許可を取っても大丈夫ですか

屋外広告物も道路占用も、あらかじめ許可を受けるのが原則です。すでに出している看板について後から申請する場合は、別途必要な書類があるとされています。

Q. 許可が切れたらどうなりますか

大阪市では、許可期間が満了する1か月程度前に継続申請の案内を送付しています。期間後も出し続けるなら、継続(更新)の手続きをしてください。

この記事で扱った手続き

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まとめ

  • 大阪市では、屋外広告物は原則として市長の許可が必要
  • 自分の店の看板(自家用広告物)は、1つあたりの表示面積が7㎡以内なら許可不要。合計ではなく1物件ごとに判定
  • 許可は大阪市建設局 総務部 管理課。一般広告物は3週間程度、広告塔・広告板は5㎡までごとに950円
  • 袖看板が道路の上に出るなら道路占用許可(手数料1,100円+毎年の占用料、1か月程度)。付け替え・撤去・居抜きでの引継ぎにも手続きが要る
  • 歩道の置き看板・のぼりは、屋外広告物の許可不要の扱いから外れ、道路の占用にもあたる。敷地内に収めるのが現実的

この記事は制度の内容を整理したものです。個別の看板の扱いは、大阪市建設局 総務部 管理課にご確認ください。

参考資料(一次資料)


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