公道に足場を出すなら許可は2つ|道路占用許可と道路使用許可の違い・大阪での出し先と順番

公道に足場を出すときに必要な2つの許可。道路使用許可は原則7日 建設業

ビルの外壁改修や塗装で、足場や仮囲いが歩道にはみ出すことはよくあります。高所作業車やクレーン車を車道に停めて作業することもあるでしょう。

このとき必要な許可は1つではありません。

  • 道路に物を置く(占める)ことについて ── 道路占用許可(道路法 第32条)/出す先=道路管理者
  • 道路で工事や作業をすることについて ── 道路使用許可(道路交通法 第77条)/出す先=警察署長

名前が似ていて、しかも両方必要になることが多いため、片方だけ取って着工してしまう事故が起きます。この記事では、2つの許可の違いと、大阪で申請するときの出し先・日数・段取りを整理します。2026年9月時点の情報です。

2つの許可は「誰が」「何を」見るかが違う

道路占用許可道路使用許可
根拠道路法 第32条道路交通法 第77条第1項
許可する人道路管理者(国・大阪府・大阪市など)警察署長
見ているもの道路という財産を、継続して使わせてよいか道路の交通に危険や支障がないか
足場の例足場・仮囲い・朝顔を道路の敷地や上空に設置する足場の組立・解体の作業、作業車の駐車、交通誘導
費用手数料+占用料手数料

ざっくり言えば、「物がそこにある」ことに道路占用許可、「そこで作業する」ことに道路使用許可が要ります。足場を歩道に張り出して数か月置くなら、設置している間は占用、組み立てる日・ばらす日は使用という関係になります。

大阪市内の道路は、道路の種類で出し先が変わる

道路占用許可は道路管理者に出します。大阪市内の道路は、次のように管理者が分かれています。

道路の種類管理者(窓口)
高速自動車国道国土交通大臣(西日本高速道路株式会社)
一般国道(指定区間)国(大阪国道事務所)
一般国道(指定区間外)・府道・市道大阪市(大阪市建設局)
阪神高速道路阪神高速道路株式会社

大阪市内の府道・市道は、大阪市建設局が管理しています。そして、工事用足場・仮囲いの道路占用許可の窓口は、大阪市建設局の各工営所です(新規・変更・更新とも)。手数料は1件につき1,100円です。

どの道路かは、現場の前面道路の種類で決まります。国道の指定区間と市道の境目や、高架下などは判断が難しいので、まず管轄の工営所に確認するのが確実です。

手続きの概要は 道路占用許可申請(道路法第32条) にまとめています。

道路使用許可は所轄の警察署:手数料2,500円・原則7日

道路使用許可は、道路を使用する場所を管轄する警察署の交通課に申請します。大阪府警察の案内の要点はこうです。

大阪府警察「道路使用許可申請手続について」。工事・作業の手数料2,500円、許可証交付まで原則7日間、道路占用許可と一括提出できると書かれている。出典:大阪府警察 PDF https://www.police.pref.osaka.lg.jp/material/files/group/2/dourosiyousinsei_howto_r071215.pdf 掲載ページ https://www.police.pref.osaka.lg.jp/tetsuduki/dorokotsu/4971.html 2026年9月27日閲覧
出典:大阪府警察「道路使用許可申請手続について」(PDF/掲載ページ「道路交通法等に基づく各種申請及び届出様式」)2026年9月27日閲覧
項目内容
提出先道路を使用する場所を管轄する警察署等の交通課
部数申請書と必要書類を各2通
主な添付書類道路を使用する場所と付近の見取図、安全対策状況図、設置する物件の仕様書 など
手数料工事・作業は2,500円(その他は2,000円)。会計課窓口等で納付。コンビニでは納付できない
日数申請から許可証の交付まで原則7日間(行政庁の休日を除く)
オンラインe-Govから申請できる。ただし手数料の納付のため来署が必要

7日は「行政庁の休日を除く」日数です。土日祝をはさむと、暦の上では10日前後かかります。案内には、内容によっては許可できない、または時間・区間・方法の変更を求めることがある、審査に日数を要する場合がある、とも書かれています。早めの相談・申請を前提にしてください。

手続きの概要は 道路使用許可申請(道路交通法第77条) にまとめています。

両方要るときは、片方の窓口に一括して出せる

大阪府警察の案内には、次のように書かれています。

道路使用許可と道路占用許可の両方の許可が必要となる場合には、申請先警察署等の交通課又は道路管理者の一方の窓口に申請書を一括して提出することができます。

2か所に足を運ばなくても、どちらかの窓口にまとめて出せるということです(道路法 第32条第4項・道路交通法 第78条第2項に、もう一方の窓口を経由して申請書を出せる規定があります)。

ただし、手数料の未納・申請書の訂正・添付書類の不備があると、改めて窓口に行く必要があります。一括提出するなら、両方の書類を完全に揃えてから出すのが条件です。

着工までの段取り

足場を歩道に張り出す外壁改修を例に、着工から逆算するとこうなります。

時期やること
着工の1か月以上前前面道路の管理者を確認し、工営所に事前相談(張り出し幅・歩行者通路の確保)
着工の3〜4週間前足場の図面・安全対策図を作り、占用と使用の申請書を揃える
着工の2〜3週間前申請(一括提出するならどちらか一方の窓口へ)
許可後占用料の納付、許可証を現場に備える
組立・解体の日許可条件(時間帯・交通誘導員の配置など)どおりに作業

高さ10m以上で60日以上置く足場なら、労働基準監督署への設置届(30日前まで)も別に必要です。手続きは 建設工事計画届(労働安全衛生法第88条) にまとめています。道路の許可と労基署の届出は、出し先も期限も別です。

許可なしで出したらどうなるか

道路占用許可を受けずに道路を占用すること、道路使用許可を受けずに工事や作業をすることは、どちらも罰則の対象です。

罰金そのものより現実に痛いのは、作業の中止を求められて工程が止まることです。近隣や通行人からの通報で、警察や工営所の職員が現場に来ることもあります。

元請が申請を下請任せにしていて、誰も出していなかったというのが、よくある抜け方です。誰が申請者になるか、見積りの段階で決めておきましょう。

占用料について

道路占用許可では、手数料とは別に占用料がかかります。占用料は、占用する物件の種類・面積・期間、そして場所(道路の等級)によって決まります。大阪市の場合は大阪市道路占用料条例で定められています。

見積りに占用料を入れ忘れると、利益が削られます。工営所で事前相談をするときに、概算を確認しておくのが確実です。

よくある質問

Q. 足場が道路にはみ出さず、作業車を停めるだけなら

物を道路に設置しないなら、道路占用許可は不要なことがあります。ただし、道路に作業車を停めて作業するなら道路使用許可が必要です。高所作業車・クレーン車・生コン車などが典型です。

Q. 私道なら許可は要りませんか

道路法の道路(認定道路)でなければ、道路占用許可の対象外です。ただし、一般の交通に使われている私道は道路交通法上の「道路」に当たることがあり、その場合は道路使用許可が必要になり得ます。所轄の警察署に確認してください。

Q. 申請者は元請と下請のどちらですか

実際に道路を占用する者、道路で工事や作業をする者が申請者になります。元請・下請のどちらが申請するかを契約前に決めておくと、抜けを防げます。

Q. 工期が延びたら

許可された期間を超えるなら、期間の変更(更新)の手続きが必要です。期限が切れた状態で足場を残すと無許可になります。延びそうな時点で窓口に連絡してください。

Q. 夜間だけの作業でも道路使用許可は要りますか

時間帯にかかわらず、道路で工事や作業をするなら必要です。警察署から作業時間帯を夜間に限るなどの条件が付くこともあります。

この記事で扱った手続き

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まとめ

  • 公道に足場を出すなら、道路占用許可(道路管理者)と道路使用許可(警察署長)の2つが要ることが多い
  • 大阪市内の府道・市道は大阪市建設局が管理。工事用足場・仮囲いの占用は各工営所が窓口、手数料1,100円
  • 道路使用許可は所轄警察署の交通課。工事・作業は2,500円、交付まで原則7日間(休日除く)
  • 両方要るときは、どちらか一方の窓口に一括して提出できる
  • 高さ10m以上・60日以上の足場は、労基署への設置届(30日前)も別に必要

この記事は制度の内容を整理したものです。個別の工事の扱いは、道路を管理する大阪市建設局の各工営所、道路を管轄する警察署の交通課にご確認ください。

参考資料(一次資料)


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