✅ 【更新 2026-10-03】通常枠の5次締切(9月29日)は終了しました。次回は6次締切=2026年10月30日(金)17:00、交付決定は12月10日(予定)です。本文の日程を6次に差し替えました。7次以降は未公表です。
※本記事は2026年7月16日作成・2026年9月14日に更新(通常枠の4次締切8月25日は終了し、次回=5次締切に差し替え/店舗のキャッシュレス決済・POSレジの章を追加)した情報提供です。締切は回ごとに更新されるため、最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。
長く「IT導入補助金」と呼ばれてきた制度が、2026年から名前を変えました。「デジタル化・AI導入補助金2026」(事業名:中小企業デジタル化・AI導入支援事業)です。
名前が変わったことで、去年の記憶のまま検索すると情報にたどり着けない、という状態が起きています。この記事では、通常枠を中心に、補助額・補助率・対象経費・スケジュールを、公募要領(2026年5月15日改訂版)の記載に沿って整理します。
なお、2026年度に使える補助金の全体像は「2026年に中小企業が使える補助金・助成金まとめ」で一覧にしています。
まず結論:通常枠の次回締切は2026年10月30日(金)17:00(6次締切分)
通常枠の5次締切分(2026年9月29日)は既に終了しました。現在、公式の事業スケジュールで公表されている次回の締切は6次締切分で、次のとおりです。
| 項目 | 日時 |
|---|---|
| 通常枠6次締切分 締切日 | 2026年10月30日(金)17:00 |
| 交付決定日 | 2026年12月10日(木)(予定) |
⚠️ 交付決定は12月10日です。この補助金は交付決定の前に契約・発注・支払いをすると対象外になるため、設備を動かせるのは11月以降と見込んで計画してください。
公式情報:中小企業基盤整備機構「事業スケジュール|デジタル化・AI導入補助金2026」 https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/
締切時間の17:00は厳格です。公式サイトには「締切日当日の17:00をもって申請マイページあるいはIT事業者ポータルから事務局への申請・提出等が行えなくなります」「締切時間を過ぎた場合は、いかなる理由であっても受付対応は一切いたしかねます」と明記されています。締切直前はアクセスが集中し、画面遷移やSMS認証に通常より時間がかかる可能性がある、という注意も公式に出ています。
なお、6次締切分以降については、公式サイトに「確定している募集回のスケジュールのみ公表しております」と記載があり、以降のスケジュールは随時更新されます。次回以降を狙う場合は公式サイトで最新の公表をご確認ください。
補助額と補助率(通常枠):上限450万円、ただし「4プロセス以上」
通常枠の補助額は、導入するITツールが満たすプロセス数によって2段階に分かれます。公募要領「2-3 補助対象経費、補助率及び補助額」の記載は次のとおりです。
| 補助金申請額 | プロセス数 | 補助率 | 賃上げ目標の扱い |
|---|---|---|---|
| 5万円〜150万円未満 | 1プロセス以上 | 1/2以内 | 加点項目 |
| 150万円〜450万円以下 | 4プロセス以上 | 1/2以内 | 必須要件 |
公式情報:中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領」p.19 https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_koubo_tsujyo.pdf
ここが読み違えられやすいところです。「上限450万円」は、どんなITツールでも狙える金額ではありません。450万円の帯(150万円〜450万円以下)に入るには、4プロセス以上を満たすITツールの導入が必要で、さらに賃上げ目標が加点ではなく必須要件になります。1プロセスの小さな導入であれば、上限は150万円未満の帯です。
補助率が2/3になる条件は「賃上げ」ではなく「最低賃金の水準」
補助率は原則1/2以内ですが、公募要領には2/3以内となる例外条件が書かれています。この条件は「賃上げをしたら」ではなく、現在の従業員の賃金水準に関するものです。
令和6年10月から令和7年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜令和7年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合は、2/3以内
(出典:同 公募要領 p.19)
つまり、地域別最低賃金の改定によって「改定後の最低賃金を下回る水準」で雇用していた従業員が全従業員の30%以上いた月が3か月以上あった事業者が対象です。自社が該当するかは、この期間の賃金台帳で確認することになります。
対象になる経費
通常枠の補助対象経費は、公募要領上、次の範囲です。
- ソフトウェア購入費
- クラウド利用費(クラウド利用料 最大2年分)
- 導入関連費(当該ソフトウェアに関連するオプション・役務の費用)
クラウドのサブスクリプションが最大2年分まで対象になるのは、単年度で終わらない実務上の利点です。一方、通常枠ではPC・タブレット等のハードウェアは対象外です(ハードウェアが対象になるのは、後述のインボイス枠のインボイス対応類型)。
通常枠以外の4つの枠
デジタル化・AI導入補助金2026には、通常枠のほかに次の枠があります。自社の目的が「インボイス対応」「セキュリティ」「複数社での連携」なら、通常枠より条件の良い枠が使える可能性があります。
| 枠 | 主な用途 |
|---|---|
| 通常枠 | 自社の課題に合わせたIT・AIツールの導入 |
| インボイス枠(インボイス対応類型) | 会計・受発注・決済ソフト+PC・タブレット等、レジ・券売機等のハードウェア |
| インボイス枠(電子取引類型) | 受発注のインボイス対応(取引先へのアカウント供与を含む) |
| セキュリティ対策推進枠 | セキュリティ対策のためのサービス導入 |
| 複数者連携デジタル化・AI導入枠 | 複数の中小企業が連携して行うデジタル化 |
公式情報:デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト https://it-shien.smrj.go.jp/
なお、複数者連携デジタル化・AI導入枠の2次締切分は2026年8月25日(火)17:00(交付決定日 2026年10月7日(水)予定)と公表されています。通常枠とは締切が異なるため、枠ごとにスケジュールを確認してください。
お店にPOSレジ・キャッシュレス決済を入れるなら、どの枠か
「PayPayやクレジットカードに対応したい」「レジを入れ替えたい」という相談は、飲食店や小売店の開業でよく出てきます。
ここで最初に確認すべきことがあります。通常枠では、レジも決済端末も対象になりません。
対象になるのは、インボイス枠(インボイス対応類型)です。
インボイス枠なら、ハードウェアが対象になる
| 経費 | 補助上限 | 補助率 |
|---|---|---|
| ソフトウェア(50万円以下の部分) | — | 3/4以内(小規模事業者は4/5以内) |
| ソフトウェア(50万円超〜350万円以下) | — | 2/3以内 |
| PC・タブレット等 | 10万円以下 | 1/2以内 |
| レジ・券売機等 | 20万円以下 | 1/2以内 |
公式情報:中小企業基盤整備機構「インボイス枠(インボイス対応類型)」 https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/digitalbase/
モバイルPOSレジのように、タブレットとレジアプリを組み合わせる形も、この枠の範囲です。
⚠️ ハードウェアだけでは申請できません
公式サイトには、はっきりこう書かれています。
ハードウェアのみの申請は不可である。
つまり、「レジだけ」「決済端末だけ」を買って補助を受けることはできません。 補助対象として登録されたソフトウェアを導入し、そのソフトウェアを使うために必要なハードウェアとして、はじめて対象になります。
「PayPayの決済端末を補助金で買いたい」という発想のままだと、申請の形になりません。会計・受発注・決済のソフトウェアを入れる計画があって、その一部としてレジがある、という順序で考える必要があります。
発注の順番を間違えると、全部が対象外になります
この補助金でいちばん多い失敗が、発注のタイミングです。
“` ❌ レジを買う → 補助金を申請する → 対象外 ✅ 申請する → 交付決定を受ける → レジを買う “`
5次締切(2026年10月30日)で申請した場合、交付決定は2026年12月10日(予定)です。開業日が11月までなら、この補助金でレジを入れるのは間に合いません。
開業スケジュールが先に決まっている場合は、補助金に合わせて開業を遅らせるか、補助金を使わずに進めるかを、早い段階で決めておく必要があります。
飲食店の場合、先に終わらせておく手続きがあります
レジや決済の話は、開業準備の後半に出てきます。ただ、その前に終わっていないと営業自体ができない手続きがあります。
順番と期限は「大阪市で飲食店を開業するには?必要な手続きの流れ・費用・期間を解説」で整理しています。
見落としやすい注意点:2025年に交付決定を受けた事業者の12か月制限
公募要領には、過年度の補助金を受けた事業者への制限が明記されています。
IT導入補助金2025の通常枠及び複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む。)は、交付決定日から12カ月以内にデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠で申請することはできない。
(出典:同 公募要領 p.22)
昨年この補助金でITツールを導入した事業者は、前回の交付決定日から12か月を確認してから動く必要があります。
また、申請は交付申請期間中、1法人・1個人事業主あたり1申請のみ(交付決定も同様)です。ただし、同期間中に交付申請受付中のインボイス枠・セキュリティ対策推進枠を併せて申請し、交付決定・交付を受けることは可能とされています。この場合、経費の二重計上は不正行為として交付決定の取消し・全額返還を求められる場合があるとされているため、IT導入支援事業者とよく相談のうえツールを選定してください。
申請の前に必要な手続き
この補助金は、事業者が単独で申請するものではありません。IT導入支援事業者(登録済みのITベンダー・サービス事業者)とともに申請し、導入するITツールも事前に登録されたものから選ぶ仕組みです。
そのため、実務の順序はおおむね次のようになります。
- 自社の課題を整理し、対象になりそうなITツールの目星をつける
- IT導入支援事業者を探し、相談する(公式サイトのITツール検索から探せます)
- 申請に必要な事前手続き(gBizIDプライムの取得など)を済ませる
- IT導入支援事業者と一緒に交付申請を行う
- 交付決定を受けてからITツールを契約・発注・支払いする
- 事業実績報告を期限までに提出する
特に 5 は落とし穴です。交付決定の前に契約・発注・支払いをしてしまうと補助の対象外になるのが、この種の補助金の共通ルールです。通常枠5次締切(9月29日17:00)で申請した場合、交付決定日は2026年11月9日(月)予定ですから、発注はそれ以降と考えておく必要があります。
よくある質問
Q. PayPayの決済端末だけを、補助金で買えますか
できません。公式サイトに「ハードウェアのみの申請は不可である」と明記されています。補助対象として登録されたソフトウェアの導入とあわせて、そのソフトウェアを使うために必要なハードウェアとして申請する形になります。
Q. 開業前でも申請できますか
デジタル化・AI導入補助金は中小企業・小規模事業者が対象です。申請にはgBizIDプライムが必要で、その取得には法人の登記または個人事業の開業届が前提になります。開業手続きが先です。
Q. 交付決定の前にレジを発注してしまいました
交付決定の前に契約・発注・支払いをした経費は、補助の対象外になります。これはこの補助金に限らず、補助金制度に共通するルールです。発注済みの分を後から対象に含めることはできません。
Q. 通常枠とインボイス枠は、両方申請できますか
公募要領では、交付申請期間中の申請は1法人・1個人事業主あたり1申請のみが原則です。ただし、同期間中に交付申請を受け付けているインボイス枠・セキュリティ対策推進枠を併せて申請し、交付決定を受けることは可能とされています。⚠️ただし経費の二重計上は不正行為として交付決定の取消し・全額返還を求められる場合があるため、IT導入支援事業者とツールの内訳をよく確認してください。
Q. 小規模事業者だと、補助率は上がりますか
インボイス枠(インボイス対応類型)のソフトウェア50万円以下の部分は、中小企業が3/4以内、小規模事業者は4/5以内です。ただしハードウェア(PC・タブレット、レジ・券売機)は事業規模にかかわらず1/2以内で、ここは上がりません。
他の制度とあわせて締切順に見たい場合は「開業で使える補助金一覧【大阪・2026年版】」もご覧ください。
まとめ
- IT導入補助金は2026年から「デジタル化・AI導入補助金2026」(事業名:中小企業デジタル化・AI導入支援事業)に名称変更
- 通常枠の次回(5次)締切は2026年9月29日(火)17:00、交付決定日は2026年11月9日(月)予定(4次締切2026年8月25日は終了)
- 補助額は5万円〜150万円未満(1プロセス以上)/150万円〜450万円以下(4プロセス以上・賃上げ目標が必須要件)、補助率は原則1/2以内
- 補助率2/3の例外は「賃上げをしたか」ではなく最低賃金の水準で雇用していた従業員の割合の条件
- 対象経費はソフトウェア購入費・クラウド利用料最大2年分・導入関連費。⚠️通常枠にハードウェアは含まれない
- 店舗のPOSレジ・券売機・タブレットは「インボイス枠(インボイス対応類型)」なら対象(レジ・券売機 20万円以下/PC・タブレット 10万円以下・補助率1/2以内)。⚠️ハードウェア単体では申請できない
- IT導入補助金2025の通常枠等で交付決定を受けていると、交付決定日から12か月は通常枠に申請できない
補助金は年度ごとに名称・金額・要件・スケジュールが変わります。申請を検討する場合は、必ず公式サイトの最新の公募要領とスケジュールを確認してください。
2026年度の他の補助金・助成金とあわせて検討したい方は「2026年に中小企業が使える補助金・助成金まとめ」もご覧ください。


