建設業で特定技能の外国人を受け入れるには?入管に出す前に国交省の受入計画認定がある

建設業

特定技能の記事はたくさんありますが、その多くは 入管(出入国在留管理庁)に出す手続き の話で終わっています。

建設業の場合、それだけでは足りません。入管に在留の申請を出す前に、国土交通大臣の認定を取っておく必要があるからです。

ここを知らずにスケジュールを組むと、「内定を出したのに、いつまで経っても働き始められない」という事態になります。この記事では、建設分野だけにある関門を整理します。2026年9月時点の情報です。

建設分野だけにある3つの関門

外食や宿泊など他の分野と比べたとき、建設分野には次の3つが上乗せされています。

#関門誰に対して
1建設特定技能受入計画の認定(国土交通大臣)受入企業
2CCUS(建設キャリアアップシステム)への登録受入企業と外国人本人の両方
3JAC(建設技能人材機構)への加入受入企業

根拠は、入管法第7条第1項第2号(基準省令への適合)と、建設分野について定める告示です。地方出入国在留管理局に在留の申請をするとき、国土交通大臣の受入計画認定証を添付します。認定がない限り、入管の許可は下りません。

さらに、建設分野は報酬の払い方にも要件があります。賃金の支払方法は「月給制」が必須です。日給制はもちろん、日給月給制も認められません。

加えて、同等の技能を持つ日本人労働者と同等額以上の報酬を支払う必要があります。審査では、日本人の賃金台帳・就業規則・賃金規程などの証明資料を求められます。

天候で現場が止まっても、月給は動かせません

建設業では日給制が根づいていますが、特定技能では使えません。雨天休業でも支払われる月給制にする、という設計変更が要ります。受け入れを決める前に、給与制度のほうを先に考えてください。

順番を間違えると止まる

実務で詰まるのは、ほぼ順番です。

“` ① CCUSの事業者登録・技能者登録 ↓ ② JACへの加入(正会員の団体に入るか、賛助会員になるか) ↓ ③ 建設特定技能受入計画の認定申請(国土交通省・オンライン) ↓ ④ 認定証の交付 ↓ ⑤ 入管へ在留資格の申請(認定証を添付) ↓ ⑥ 就労開始 “`

⑤で認定証を添付するので、③④が終わっていないと入管に出せません。

③の申請は 外国人就労管理システム というオンラインの仕組みで行います。認定までの目安は約1〜2か月ですが、混雑や補正が入ると数か月かかることもあります。

技能実習から切り替える場合は、修了期日の6か月前から申請できます。入管への申請は、就労開始を希望する日の2〜3か月前が目安です。

ここが読めないと、採用計画が丸ごとずれます。「来月から来てもらう」は建設分野では現実的ではありません。

CCUSは「登録して終わり」ではない

CCUSは、技能者の資格・社会保険の加入状況・現場の就業履歴を蓄積する仕組みです。

建設分野の特定技能では、受入企業の事業者登録と、受け入れる外国人の技能者登録が求められます。

CCUSの登録は推奨ではなく、必須要件です。受入企業の事業者登録と、受け入れる外国人本人の技能者登録(技能者IDの取得)の両方が求められます。

技能者IDを証明する書類は、原則として入国後1か月以内に提出します。

なお、CCUSの蓄積は経営事項審査のW点にも効いてきます。外国人材の受入れと、公共工事の評点対策が同じ仕組みの上に乗っているということです。経審側の話は 経営事項審査(経審)とは?公共工事に入るまでの流れと年1回の落とし穴 にまとめています。

JACへの加入と負担金

建設分野では、受入企業はJAC(一般社団法人建設技能人材機構)に加入している必要があります。加入の形は2つで、JACの正会員である建設業者団体に所属するか、JACの賛助会員になるかです。

そして、受入負担金が発生します。

金額
賛助会員の年会費(JACに直接加入する場合)年額 24万円
受入負担金(1号特定技能外国人1人あたり)月額 12,500円(年額15万円)

この負担金は人数と期間に比例して積み上がります。3人受け入れれば年45万円、5年間なら225万円です。受け入れ人数を決める前に計算しておく項目です。

受入計画に何を書くか

建設特定技能受入計画では、おおむね次のことを約束します。

  • 報酬の額と支払い方(月給制・同等以上の報酬)
  • キャリアパス(技能習熟に応じて報酬を上げていく道筋)
  • 安全衛生教育の実施
  • 母国語での相談体制
  • CCUSへの登録と就業履歴の蓄積
  • JACへの加入

つまり、「安く使うための制度ではない」という前提を、書面で示させる構造になっています。日本人と同じ現場で同じ仕事をするのだから、報酬も同じ土俵に乗せてください、という設計です。

計画の位置づけは 建設特定技能受入計画の認定申請 にまとめています。

受け入れたあとに続く手続き

認定と在留許可が下りれば終わり、ではありません。受入企業には定期届出と随時届出が続きます。出し忘れると、次の受け入れに影響します。

届出の種類と様式は 特定技能の届出とは?定期届出と随時届出6種の出し方 で整理しています。

また、建設分野は分野別協議会への加入も必要です(特定産業分野の協議会への加入手続き)。

育成就労との関係

2027年4月に技能実習が育成就労へ移行します。建設分野は育成就労の主要分野になる見込みで、特定技能への接続ルートが太くなる方向です。

国土交通省の資料では、建設分野において 現行の「計画認定制度」「CCUS活用」「JACを通じた受入管理」「月給制」といった規律は、育成就労においても基本的に継承・適用される方針とされています。

つまり、いま整えた体制は、制度が変わっても無駄になりません。逆に言えば、「育成就労を待ってから考えよう」としても、やることは変わらないということです。

制度移行の全体像は 育成就労は2027年4月から。9月1日に始まったのは「事前申請」です にあります。

この記事で扱った手続き

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まとめ

  • 建設分野は、入管の前に国土交通大臣の受入計画認定がある
  • CCUS登録(事業者・技能者の双方)・JAC加入・協議会加入が上乗せされる。JACの受入負担金は1人あたり月額12,500円
  • 報酬は月給制が必須(日給制・日給月給制は不可)。日本人と同等以上であることを計画で約束する
  • 順番を間違えると入管に出せない。採用のスケジュールは認定の期間を織り込んで組む
  • 受け入れ後も定期届出・随時届出が続く

この記事は制度の内容を整理したものです。個別の申請内容や最新の要件は、国土交通省および出入国在留管理庁の公式情報でご確認ください。


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