土地の売買や境界の確認、建物の建て替えの相談でよく出てくるのが、公図・地積測量図・建物図面です。どれも法務局(登記所)に備え付けられている図面で、誰でも写し(証明書)を取れます。
登記事項証明書が「文字の記録」なら、これらの図面は「形と位置の記録」です。この記事では、3つの図面の中身の違い、取り方と手数料、登記事項証明書と一緒に何を見るかを、法務局の案内をもとに整理します。2026年10月25日時点の情報です。
登記事項証明書の読み方は 登記事項証明書(登記簿謄本)の見本と読み方、取り方は 登記事項証明書(登記簿謄本)の取り方 にまとめています。
法務局にある主な図面は5種類
法務局は、登記所に備え付けている主な図面を次のように説明しています。

| 図面 | 何が分かるか | いつ作られるか |
|---|---|---|
| 登記所備付地図(14条地図) | 土地の区画と地番。精度の高い調査にもとづく | 地籍調査などの成果から備え付け。まだの地域もある |
| 地図に準ずる図面(いわゆる公図) | 土地の位置・形状・地番 | 大部分は明治時代の旧土地台帳附属図面。昭和25年以降に税務署から登記所へ移された |
| 地積測量図 | 土地の所在・地番・方位・形状・隣地の地番・地積の求積方法・境界標 | 分筆の登記などのときに提出される |
| 地役権図面 | 地役権が土地のどの範囲に及ぶか | 土地の一部に地役権を設定したときなど |
| 建物図面・各階平面図 | 建物がどの土地のどこに、どんな形で建っているか/各階の形と床面積 | 建物の表題登記などのときに提出される |
「14条地図」と「公図」は精度が違う
不動産登記法14条は、登記所に地図を備え付けると定め、地図ができるまでの間は、これに代えて地図に準ずる図面を備え付けることができるとしています(14条1項・4項)。
| 14条地図 | 地図に準ずる図面(公図) | |
|---|---|---|
| 根拠 | 不動産登記法14条1項 | 同条4項 |
| 表示するもの | 各土地の区画を明確にし、地番を表示(同条2項) | 土地の位置・形状と地番を表示(同条5項) |
| 精度 | 精度の高い調査にもとづく | 明治時代の図面が元で、形や位置関係の目安 |
公図は、隣の土地との位置関係や形のおおよそを知るには便利ですが、長さや面積を測る図面ではありません。距離や面積を知りたいときは、地積測量図があるかを確かめます。
地積測量図:土地の形と面積の根拠
地積測量図は、土地を分ける(分筆)などの登記をするときに提出される図面です。土地の所在・地番・方位・形状、隣地の地番、地積の求積方法、境界標などが書かれています。
見るポイントは3つです。
| 見るところ | 何が分かるか |
|---|---|
| 求積表(地積の求積方法) | 登記事項証明書の地積がどう計算されたか |
| 境界標 | 境界の点に何が置かれているか(石杭・金属標など) |
| 作成年月日 | いつの測量か。古いものは今の測量の方法と違うことがある |
地積測量図は、分筆などの登記のときに出される図面なので、そうした登記がされていない土地にはないことがあります。
建物図面・各階平面図:建物の位置と形
建物図面は、どの土地の、どの場所に、どんな形の建物があるかを示す図面です。各階平面図は、各階の形と床面積を示します。建物の表題登記(新築したときの登記)などのときに出されます。
建物の登記事項証明書の床面積と、各階平面図の床面積を見比べると、どの部分が床面積に入っているかが分かります。
取り方と手数料
図面は、法務局の窓口・郵送・オンラインで請求できます。証明書として取るのが「地図証明書」「図面証明書」です。
| 取り方 | 手数料 | 受け取り |
|---|---|---|
| 窓口・郵送で請求 | 500円 | 窓口/郵送(返信用の切手が必要) |
| オンラインで請求して郵送で受け取る | 470円 | 郵送 |
| オンラインで請求して窓口で受け取る | 440円 | 指定した登記所の窓口 |
| 登記情報提供サービスで見る(証明書ではない) | 360円 | 画面・PDF |
- 手数料は法務省「登記手数料について」(令和7年4月1日〜)によります。地図などの証明書は1筆の土地または1個の建物ごと、土地所在図の証明書は1事件ごとです
- 窓口・郵送の手数料は収入印紙で払います
- 全国どこの登記所でも、ほかの地域の地図・図面の証明書を受け取れます(地図・図面情報交換サービス)
- 請求には地番(建物は家屋番号)が必要です。住所(住居表示)では請求できません
見るだけなら、登記情報提供サービスのPDFが早くて安く済みます。役所などに出す場合は、法務局の証明書を取ります。
登記事項証明書と一緒に何を見るか
図面は、登記事項証明書とセットで見ると意味が分かります。
| 登記事項証明書で | 図面で | 確かめること |
|---|---|---|
| 表題部の地番・地積 | 公図・地積測量図の地番・求積 | 同じ土地か、面積の根拠は何か |
| 表題部の「地図番号」欄 | 14条地図があるか | 地図番号が書かれていれば14条地図がある |
| 表題部の「筆界特定」欄 | — | 境界について筆界特定がされたか |
| 建物の床面積 | 各階平面図 | どの部分が床面積に入っているか |
公図で隣の地番を確かめれば、隣の土地の登記事項証明書も取れます。境界がはっきりしないときに使える公的な手続きとして、法務局の筆界特定制度もあります。
よくある質問
Q. 公図の形と、実際の土地の形が違います
公図の大部分は明治時代の図面が元なので、実際の形や長さと違うことがあります。正確な形や面積は、地積測量図や現地の測量で確かめます。
Q. 地積測量図が見つかりませんでした
地積測量図は、分筆などの登記のときに提出される図面です。そうした登記がされていない土地には、ないことがあります。
Q. 図面はネットで見られますか
登記情報提供サービスで、公図・地積測量図・建物図面などを1件360円で見られます。ただし証明書にはなりません。
Q. 他人の土地の図面も取れますか
取れます。公図などの地図の写しは不動産登記法120条1項、地積測量図・建物図面などの図面の写しは同法121条1項で、誰でも請求できると定められています。
まとめ
- 法務局の主な図面は14条地図・公図・地積測量図・地役権図面・建物図面(各階平面図)
- 公図は明治時代の図面が元の「地図に準ずる図面」。形と位置関係の目安で、長さ・面積の根拠にはならない
- 地積測量図は分筆などのときに出される測量図。地積の求積と境界標が分かる
- 建物図面・各階平面図で、建物の位置と各階の形・床面積が分かる
- 証明書は窓口500円・オンライン請求440円〜。見るだけなら登記情報提供サービス360円
- 登記事項証明書の地番・地積・地図番号と合わせて見る
この記事で扱った手続き
あわせて読みたい
参考資料(一次資料)
- 法務局「不動産登記のよくあるご質問等」(2026年10月25日閲覧)
- 法務局「登記所には登記簿(登記記録)のほかにどのような帳簿や図面が備え付けられているのですか?」(PDF)(2026年10月25日閲覧)
- 法務局「地図証明書又は図面証明書の交付を請求するには、どうしたらよいのですか?」(PDF)(2026年10月25日閲覧)
- 法務局「インターネットで登記情報を確認する方法はありますか?」(PDF)(2026年10月25日閲覧)
- 法務省「登記手数料について」(2026年10月25日閲覧)
- e-Gov法令検索「不動産登記法」(第14条・第120条・第121条、2026年10月25日閲覧)


