「特定技能には1号と2号があるけれど、何が違うのか」──外国人材を受け入れる企業からも、働いている本人からもよく聞かれる疑問です。
2号の在留者は2026年6月末で18,295人と、半年で約2.3倍に増えました。1号の5年の期限が近づく人が増え、2号に移れるかどうかが現場の関心事になっています。
この記事では、1号と2号の違い、2号がある分野、移行の要件と手続きを整理します。2026年10月11日時点の公表内容です。
1号と2号の違い
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 技能の水準 | 相当程度の知識または経験 | 熟練した技能 |
| 在留期間 | 通算で原則5年まで | 3年・1年・6か月ごとに更新、上限なし |
| 家族の帯同 | 原則不可 | 配偶者・子の帯同が可能 |
| 受入れ機関の支援 | 支援計画の策定・実施が必要(登録支援機関に委託可) | 支援の義務なし |
| 永住許可の「就労資格で5年」 | 数えられない | 数えられる |
| 対象分野 | 16分野 | 11分野 |
一番大きいのは、在留期間の上限と家族の帯同です。2号は更新を続ける限り日本で働き続けられ、家族も呼べます。
1号の「通算5年」の数え方
1号の通算在留期間は原則5年以内です。出入国在留管理庁によると、次の期間も通算に含まれます。
- 1号で在留中の、就労していない期間
- 再入国許可で出国していた期間
- 1号への移行を希望して「特定活動」で在留していた期間
一方、産前産後休業・育児休業や、病気・けがによる休業の期間は含まれません。
また、特定技能2号評価試験で一定の条件を満たしながら不合格になった人は、通算在留期間が6年になる取扱いがあります。
2号があるのは11分野
1号は16分野ですが、2号は11分野です。介護と、2024年に追加された4分野(自動車運送業・鉄道・林業・木材産業)には2号がありません。

| 2号の分野 | 2号の在留者数(2026年6月末) | 前年末から |
|---|---|---|
| 建設 | 5,329人 | 約3倍 |
| 飲食料品製造業 | 4,703人 | 約2.1倍 |
| 農業 | 2,387人 | |
| 工業製品製造業 | 2,386人 | 約2.8倍 |
| 外食業 | 2,046人 | 約1.9倍 |
| 自動車整備 | 670人 | |
| 造船・舶用工業 | 644人 | |
| 宿泊 | 57人 | |
| 漁業 | 43人 | |
| ビルクリーニング | 24人 | |
| 航空 | 6人 | |
| 合計 | 18,295人 | 約2.3倍(前年末7,955人) |
国籍別ではベトナムが13,761人(75.2%)と大半を占めます。
介護に2号が無い理由
介護分野には、専門的・技術的分野の在留資格「介護」がすでにあります。1号で働きながら介護福祉士の資格を取れば在留資格「介護」に変更でき、更新の上限なし・家族の帯同ありという、2号と同じような道が用意されています。そのため2号は設けられていません。
16分野の一覧と各分野の内容は 特定技能の対象分野 完全リスト にまとめています。
1号から2号に移る要件
2号は、1号を5年続ければ自動的に移れるものではありません。分野ごとに、主に次の2つを満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 試験 | 分野ごとの特定技能2号評価試験などに合格(分野によっては技能検定1級なども可) |
| 実務経験 | 現場で複数の作業員を指導しながら作業し、工程を管理する立場(班長・副店長など)での実務経験 |
試験の名前、実務経験の内容と期間、日本語能力の要件の有無は分野ごとに違います。自社の分野の「分野別運用方針」と「運用要領」で必ず確認してください。
建設分野では、2号に移る場合も国土交通省の建設特定技能受入計画の手続きが関わります。建設業で特定技能の外国人を受け入れるには? を参照してください。
手続きは在留資格変更許可申請:手数料に注意
1号から2号への切り替えは、在留資格変更許可申請です。2026年10月1日から手数料が改定され、許可された在留期間で額が決まります。
| 許可される在留期間 | 窓口(収入印紙) | オンライン(決済手数料込み) |
|---|---|---|
| 6か月 | 18,000円 | 15,330円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,330円 |
| 3年 | 64,000円 | 56,550円 |
改定前は一律6,000円(オンライン5,500円)でした。手数料の全体は 在留カードの値上げとは? にまとめています。
2号になると、受入れ企業の何が変わるか
| 項目 | 1号 | 2号 |
|---|---|---|
| 支援計画の作成・実施 | 必要 | 不要 |
| 登録支援機関への委託 | 委託できる | 支援の義務がないため不要 |
| 雇用契約・受入れの届出 | 必要 | 必要 |
| 家族の在留 | ― | 配偶者・子は在留資格「家族滞在」 |
支援の義務がなくなるのが企業側の大きな違いです。一方、雇用契約や受入れ状況の届出は2号でも続きます。届出の種類は 特定技能の届出とは? を参照してください。
2号と永住許可
永住許可の要件の一つに、「引き続き10年以上日本に在留し、そのうち就労資格(または居住資格)で5年以上在留していること」があります。出入国在留管理庁の永住許可に関するガイドライン(2026年2月24日改訂)では、この就労資格から特定技能1号(と技能実習)を除いています。
つまり、1号の期間は「就労資格で5年」に数えられませんが、2号の期間は数えられます。永住を考える人にとって、2号への移行は大きな意味を持ちます。永住許可の審査や手数料(2026年10月から200,000円)は別途確認が必要です。
よくある質問
Q. 1号を5年続ければ、2号に移れますか
いいえ。分野ごとの2号の試験に合格し、指導・工程管理の立場での実務経験などの要件を満たす必要があります。
Q. 介護で働いている人は、5年でどうなりますか
介護には2号がありません。介護福祉士の資格を取って在留資格「介護」に変更する道があります。
Q. 自動車運送業や林業で働く1号の人は、2号に移れますか
2026年10月11日時点で、2024年に追加された4分野(自動車運送業・鉄道・林業・木材産業)には2号がありません。
Q. 2号になると家族を呼べますか
配偶者と子は「家族滞在」で呼ぶことができます。1号は原則として家族の帯同は認められていません。
Q. 2号の在留期間はどれくらいですか
3年・1年・6か月のいずれかで、更新に上限はありません。
この記事で扱った手続き
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- 特定技能の届出とは?定期届出と随時届出6種
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- 外国人社員の正社員化には キャリアアップ助成金 が使える場合があります。
まとめ
- 1号は通算原則5年・家族帯同なし・支援が必要、2号は更新上限なし・配偶者と子の帯同可・支援不要
- 2号があるのは11分野。介護と2024年追加の4分野には無い
- 2号の在留者は2026年6月末で18,295人(前年末の約2.3倍)。建設と飲食料品製造業で過半
- 移行には分野ごとの2号試験+指導・工程管理の実務経験。手続きは在留資格変更許可申請(10月から手数料が改定)
- 永住許可の「就労資格で5年」に、1号は数えられず、2号は数えられる
この記事は制度の内容を整理したものです。分野ごとの要件や個別の審査は、出入国在留管理庁と各分野の所管省庁の案内で確認してください。
参考資料(一次資料)
- 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」(PDF)(2026年10月11日閲覧)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月11日閲覧)
- 出入国在留管理庁「通算在留期間」(2026年10月11日閲覧)
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」(2026年10月11日閲覧)


